Electronics Pick-up by Akira Fukuda

日本で2番目に(?)半導体技術に詳しいライターのブログ

新幹線が国際空港を走る欧州の常識と日本の非常識

前回のエントリー
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で「羽田空港の新幹線アクセス」を主張した理由の一つは、
すでに欧州では新幹線が国際空港を走っているという事実である。


そしてもう1つは、欧州における国際空港の新幹線化は、中央駅アクセスだけが目的ではなく、域内交通の利便性向上のために存在するという事実である。


たとえば筆者が数年前にフランスの中部にある都市「リヨン」に出張しようとしたときだ。まず考えたのが、成田空港からパリのシャルル・ド・ゴール空港に飛んで、フランスの国内線に乗り換えてリヨンの空港まで飛ぶという方法だった。ただしド・ゴール空港からリヨンの空港までは便があまり多くなく、しかもリヨンの空港は市街から離れている。


そこで次に考えたのが、パリからリヨンをフランスの新幹線(TGV)で移動する方法だ。リヨンのTGV駅は街の中心部にあるのでアクセスには問題ない。そこでフランス国鉄SNCF)のウエブサイトを調べたら、シャルル・ド・ゴール空港TGVの空港駅があり、パリを経由せずにあちこちを結んでいることがわかった。これには少し驚いた。TGVに乗るには、パリの中央駅(北駅とか南駅とか)に移動しなければならないと思っていたからだ。ところが、シャルル・ド・ゴール空港からリヨンの中心部へ直接、TGVを使って移動できる。とてもありがたかった。


もちろん、シャルル・ド・ゴール空港とリヨンの中央駅を結んでいるのは普通のTGV列車である。所要時間は片道約2時間。リヨンの空港が市街から離れていることを考えると、こちらが便利だ。価格もそれなりだが、航空運賃と比べるとそれほど高価ではなかった。そこでフランスのリヨン出張には、成田〜(航空)〜パリのシャルル・ド・ゴール空港〜(鉄道)〜リヨン中央駅、のルートを選択した。


最近の欧州の高速鉄道網は空港に到着した観光客を都市の中央駅に運ぶということと同時に、空港駅から欧州域内のあちこちに行ける利便性を強く打ち出しているようにみえる。たとえばドイツの新幹線ICEは、フランクフルト国際空港に駅があり、ICEネットワークの一部となっている。どういうことかというと、フランクフルト国際空港を経由するICEの中には、フランクフルト中央駅に寄らないものがあるのだ。例えば本エントリーの画像になっているのはICEの一例である。ちょうどフランクフルト空港駅に停車しているタイミングで時刻と発駅着駅をウエブ画面からキャプチャした。この列車は、「バーゼル発、マンハイム経由、フランクフルト空港経由、ドルトムント行き」の1108号列車で、所要時間は約5時間である。別画面で全停車駅と経路をみると、フランクフルト中央駅には寄らない経路になっていた。


日本の空港アクセス鉄道は、空港と中央駅(中心街、市街の駅の意味で「中央駅」と表記)の間を結ぶことだけを考えているように見える。欧州に比べると、10年は遅れているようだ。


世界の高速列車II (地球の歩き方)

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