Electronics Pick-up by Akira Fukuda

日本で2番目に(?)半導体技術に詳しいライターのブログ

日本の2010年代(そのよん)、高齢化社会を考える(1)

(そのいち)はこちらです。

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(そのに)はこちらです。

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(そのさん)では2010年代の日本は「7人が働いて3人を支える社会(2010年)から、6人が働いて4人を支える社会(2020b年)へ」進む」と述べました。2010年の10人中2人が65歳以上の高齢者(65歳以上)、2020年の10人中3人が高齢者となることが理由です。
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ここで考えるべきは「65歳以上の高齢者全員が支えられる人なのか」です。


日本は高齢化が急速に進む。
このため、日本社会における社会保障負担(医療費等)が急激に増大する。
勤労者世帯(16歳以上65歳未満)が社会負担が急激に増大し、高負担社会となる。
したがって未来は暗い。


このように考えることは簡単です。しかしちょっと考えてみてください。皆様もご存知のように、年齢が65歳を超える国会議員・地方議員は珍しくありません。東証一部上場企業でも65歳以上の社長や会長やCEOなどはごろごろいます(老害と言われたりもしますが)。


高齢化が進むと医療費負担が増えるのはその通りなのですが、国際比較でみると日本は「高齢化の速度よりも医療費の増える速度がずっと遅い」という世界保健機関(WHO)から表彰されそうな(冗談です)国なんです。


参考資料1:
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/1900.html
この資料は主要国の医療費がGDPに占める比率の推移を、高齢者比率の推移とともに示したグラフです。
日本は2006年時点で高齢者比率が20%に達していますが、GDPに占める医療費の比率は8.1%と非常に低い水準にとどまっています。ドイツ、英国、フランス、カナダ、スウェーデンといずれも高齢者比率は日本よりも低いにもかかわらず、GDPに占める医療費の割合は日本よりも高くなっています。


参考資料2:
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/1890.html
こちらは単純にGDPに占める医療費の比率を比較したものです。
ここで注目すべきは米国の突出した医療費負担の高さです。ご存知のように米国には公的な健康保険制度が存在しません。最先端の高度な医療技術を備えているにもかかわらず、一部の高額所得者のみが先端医療技術の恩恵を(高額報酬を病院・医師に支払うことによって)得られる社会です。このゆがみは相当に酷いもので、GDP比率に現れるほどになっています(そこで民主党は長年、公的健康保険制度の導入を課題としてきました)。
ですから、米国の庶民は基本的に、高度医療にアクセスできません。高度医療へのアクセスでは日本および欧州がずっと恵まれています。


それでは、高齢者の医療費はどうなのか。医療の進歩によって医療費が増えているのではないか、という疑問に当たります。実は、日本の高齢者1名当たりの医療費はあまり増えていません。
参考資料3:
http://www.mhlw.go.jp/topics/medias/year/08/dl/1-2.pdf
この資料は厚生労働省のデータです。平成13年度(2001年度)と平成20年度(2008年度)を比べてみると、70歳以上の1名当たり医療費はほぼ同じ金額となっています。途中で診療報酬の水準が変更されているので、本当は正確な比較ではないのですが、75万円〜76万円で横ばいに抑えられています。


もちろん、高齢者の数は増えていますから、医療費の総額は増えています。
参考資料4:
http://www.mhlw.go.jp/topics/medias/year/08/dl/1-1.pdf
この資料も厚生労働省のデータです。70歳以上の医療費は平成13年度は11.7兆円だったのが、平成20年度には14.8兆円に増えています。


すみません。まだ続きます。