Electronics Pick-up by Akira Fukuda

日本で2番目に(?)半導体技術に詳しいライターのブログ

<メディアキットの読み方(3)>BPAWW公査


シリーズ連載中です。
第1回
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第2回
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第3回である今回は、BPAWWによる公査を紹介します。
BPAWWには米国や欧州、アジア、中東などの20カ国を超える国・地域のメディアが加盟しており、日本では知名度が悲しいくらい低いものの、国際的には良く知られている公査機関です。公査活動そのものは日本ABC協会と同様にメディア発行社の伝票チェックが主体なのですが、内容は大幅に違います。


BPAWWによる公査と日本ABCによる公査を比較した場合、BPAWWは以下の2点で圧倒的に優れている、と筆者は考えています。

1)読者情報は時間経過とともに劣化していく(「情報の新鮮さ」)という考え方に基づく部数公査
2)公査レポートは広く配布すべきとの考え方



1)の考え方は、広告におけるターゲットマーケティング(特定の読者層への狙い撃ち)を想定したときに、きわめて重要です。少し考えると当たり前のことなのですが、従業員数が一定規模を超えた大企業の場合、年に1回の大規模な人事異動と半年に1回の小規模な人事異動が実施されることが普通です。また毎年、従業員の定年退職と新規採用があります。これらの人事の結果、4〜5年で従業員の大半の業務や役職などは以前とは違ったものになっていることになります。これに転職する社員が加わる訳ですから、5年前の人事情報はほとんど価値を持たないことは容易に理解できます。


そこでBPAWWでは、雑誌発行社が読者情報をいつの時点で入手したものかを、1年単位で区切って公査することにしています。さらに、読者情報を発行社が入手後、公査時点で3年(36カ月)を経過した読者は公査対象から外す(部数としてカウントしない)ことに決めています。


これはスゴイことです。なぜかというと、BPAの公査レポートは半年に1回発行されますので、半年ごとのメンテナンスという非常に厳しい作業が、発行者に要求されることになるからです。ちなみに米国で発行されている専門雑誌のBPAWW公査レポートを読みますと、大手の雑誌はほぼすべて、読者の100%が1年(12カ月)以内に取得した情報に基づいて掲載されています。日本の専門雑誌を取り巻く状況とのあまりの違いに、唖然としてしまいます。


2)の考え方は、公査活動の普及を図るという意味で重要かつ重大です。BPAWWの公査レポートは誰でも閲覧できます。具体的には、BPAWWのホームページからPDFファイルとして誰でもダウンロードできます(事前の無料登録は必要です)。誰でも公査レポートを入手できますから、BPAWWの存在は人手を介して容易に知れ渡ります。会員企業だけではなく、会員企業の候補である発行社、広告主企業、広告代理店などが、BPAWWの活動で最も重要な公査レポートを簡単に知ることができます。「内容が不明なものは評価が不可能」なのですから、BPAWWと日本ABC協会のこの違いは、日本において部数公査が雑誌にあまり普及しない原因を考える上で、重大だと考えています。


次回は、BPAWWによる公査レポートの内容を具体的に解説する予定です。