Electronics Pick-up by Akira Fukuda

日本で2番目に(?)半導体技術に詳しいライターのブログ

<メディアキットの読み方(6)>メディアキットとBPAレポ(2)

シリーズ連載と言いながら、2カ月も更新してませんでした(恥

第1回)序論
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第2回)日本ABC公査
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第3回)BPAWW公査
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第4回)BPA公査レポート(米誌の場合)
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第5回)メディアキットとBPAレポ(1)
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前回は、メディアキットの内容とBPAレポートの内容の違いについて紹介しました。
今回は、BPAレポートを時系列的に見ていくとどのようなことが分かるかについて解説します。
取り上げるのは2001年3月に創刊された「EDNJapan」です。
同誌のメディアキットは下記から入手できます。
http://www.ednjapan.com/content/about_ad/index.html


通常、過去のメディアキットは入手できません。BPAレポートも最新のレポートに更新されていくのですが、幸いなことにPDFファイルでダウンロードできます。
ここでは過去のBPAレポートから個人的に蓄積しておいた分だけを使用します。


EDNJapanのような無代誌は、総読者数だけでは広告媒体としての価値判断ができません。「日経エレクトロニクス」や「日経ものづくり」のような年間購読料金が1万円を超える定期購読誌は、読者数(日本ABC協会の公査部数)が「自主的に雑誌を読みたい人数」に近いと言えます。


しかし無代誌の場合は、クオリティの高い読者の数を見分ける必要があります。その手掛りとなるのがBPAレポートです。前回述べたように、自主的に購読している読者数と読者情報の鮮度がBPAレポートには掲載されているからです。ここでは「自主的に購読しており、読者情報が1年未満の読者数」(純読者数)を雑誌の価値判断の材料とします。1年以内に自分の情報を更新しているのであれば、ある程度は熱心に読んでいる読者の数と判断できるからです。例えて言えば、フルーツジュースに含まれる果汁分でしょうか。100%が最大価値なのはもちろんです。


それではBPAレポートから抜粋した「自主的に購読しており、読者情報が1年未満の読者数」(純読者数)の推移をグラフでお見せします。




少し意外なのは、2005年11月号(最新のBPA公査号)で純読者数が大きく減少していることです。2002年後半〜2003年前半の水準に戻っています。絶対値ですと2万1000〜2万2000名というところです。


一方、トータルの読者数(送付している総部数)は2005年5月号の3万5000部から2005年11月号では3万7000部に増えています。フルーツジュースの果汁分ですと11月号は58%になっています。2005年5月号の果汁分が83%でしたから、一気に25ポイントも薄めていることになります。広告媒体としての価値も薄まっているという懸念が残ります。


なぜこのようなことになっているのでしょうか。一つの原因は、自主購読者ではなく、特定のリストに基づいて送り付けている読者数(配布部数)が増大していることです。このことがBPAレポートから明らかになっています。


配布部数は2003年〜2004年は2600〜2700名でした。それが2005年5月号に3075名と少し増え、同年11月号では7310名と大幅に増えています。このほか、ここでは詳しく述べませんが、自主的に購読していても読者情報を更新せずに1年を経過した者の数が増えたことが影響しています。このこともBPAレポートから分かります。


なお、日本のほとんどの雑誌はBPAに加入していないため、こういった情報が入手できません。BPAに加入していること自体は、称賛すべき、素晴らしい行為であることをお断りしておきます。



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