Electronics Pick-up by Akira Fukuda

日本で2番目に(?)半導体技術に詳しいライターのブログ

<メディアキットの読み方(5)>メディアキットとBPAレポ(1)

シリーズ連載中です。
第1回)序論
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第2回)日本ABC公査
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第3回)BPAWW公査
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第4回)BPA公査レポート(米誌の場合)
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それでは、メディアキットとBPAレポートの違いについて具体的な雑誌を挙げて簡単にご紹介していきましょう。
前回は米国の半導体専門誌「Semiconductor International」のBPAレポートをご説明しましたので、今回はその日本語版である「Semiconductor International 日本版」について比較検討します。


同誌のメディアキット2006年版はここから入手できます。
http://www.sijapan.com/ad/SIJmediakit-all.pdf
ここから読者情報を抜粋します。

発行部数 1万部


業種別読者プロファイル(何年何月号のものかは出典明示せず)
 半導体・IC製造60%、半導体以外の薄膜製造10%、受託サービス5%、半導体製造装置・検査装置/テスター/検査装置15%、・・・。
職種別読者プロファイル(出典明示せず)
 経営10%、技術系管理職24%、ウエハープロセス技術20%、研究開発24%、半導体・IC設計6%など。

メディアキットに掲載されている読者情報は上記でほぼすべてです。



続いて比較のために、BPAレポートから読者情報を抜粋します。
BPAレポートは毎年2月と8月に発行されていますので、今回は2月発行のレポートを使用します。


業種別読者プロファイルを抜粋してメディアキットと比べます。カッコ内はメディアキットとの差分です。
 半導体・IC製造 41.7% (マイナス18.3ポイント)
 半導体製造装置・検査装置/テスター/検査装置 20.0% (プラス5ポイント)
 半導体以外の薄膜製造 7.3% (マイナス2.7ポイント)

最も大きな違いは、「半導体・IC製造」であることがすぐ分かります。メディアキットでは読者の6割と言っていますが、BPAレポートでは約4割にとどまっているのです。


職種別プロファイルも同様に比較します。
 経営7.7% (マイナス2.3ポイント)
 技術系管理職17.2% (マイナス6.8ポイント)
 ウエハープロセス技術8.0% (マイナス12ポイント)
 研究開発22.5% (マイナス1.5ポイント)
 半導体・IC設計17.2% (プラス11.2ポイント)

メディアキットとBPAレポートの最も大きな違いは、同誌の読者は、ウエハープロセスの技術者よりも設計技術者の方がはるかに多いことです。ここではBPAレポートが事実に近いとの立場を採ります(そうでないと雑誌発行者がBPA認証を受けていることの意味がないからです)。メディアキットの内容に修正が必要なのではないかと考えます。


続いてメディアキットには掲載されていない情報、すなわち読者情報の鮮度について紹介します。まず、BPAレポートには2005年11月号の読者データであることが明記されています。


読者数は全体で1万名ですので、メディアキットと同じ数です。
最も品質の高い読者、すなわち1年以内の情報であり、自ら購読を申請した読者は6370名います。全体の63.7%です。
次いで品質の高い読者、1年以上2年以内の情報をストックしてある読者は1841名います。


それから発行者がリストに基づいて配布している読者が1789名います。全員が1年以上2年以内のリスト情報ですので、品質はかなり低いです。


ここから読み取れるのはまず、「読みたい」と思って購読した読者は8000名ほどだということです。それから、読者情報に基づくターゲットマーケティングを高い品質で実行しようとしたときには、リストとして利用できるのは6370名が対象だということです。
読者の全体数は1万名ですが、メディアキットでは情報の品質は把握できませんでした。
このように読者情報の品質を把握できるのが、BPAレポートの利点です。



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