Electronics Pick-up by Akira Fukuda

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日経エレクトロニクス「編集長、最初の日」


日経エレクトロニクスのブログタイトルを9月30日に予想したら、当たってしまった(苦笑)。「編集長、最初の日」である。
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/TOPCOL_LEAF/20051003/109146/


個人的にはずっと、望月洋介氏はマネージャーに向いていると思っていた(編集者向きではないという意味ではありません。念のため)。そのことに気付いたのは、望月氏日経マイクロデバイスの編集長に就任してからである。


編集長は雑誌編集としてはトップだが、企業内では中間管理職である。「編集の長」として有能でも、「中間管理職」としては問題となる編集長は少なくない。現在の日経BP社は大企業であり、「中間管理職」という側面をおろそかにできないところが難しい。望月氏は、そのあたりのバランスに優れている。誤解がないように言っておくと、出世指向という意味ではない。望月氏の言動からは、自分には出世指向は感じられない。同氏から受ける印象として重要なのは、人に対する差別がないことと、人当たりが基本的に丁寧なことである。


また浅見氏に比べると、キャリヤパスとしては望月氏は幸運だったと思う。日経エレクトロニクス誌は大所帯であるのに対し、日経マイクロデバイス誌は編集の人数が少ない。最初の編集長経験は、小さな所帯の方が良いと思う。全体を見渡せるので、感覚を掴みやすい。また、同じ電子機械局の雑誌なので社内の会議によって、ある程度の情報が伝わっている。まったく知らなかった雑誌に異動するのとは違う(知っていると、知っているなりの難しさはあるが)。


なお個人的には、日経エレクトロニクスの編集長は、日経エレクトロニクス編集部員の経験者で、しかも別の小規模な雑誌の編集長を経験した人間がなるべきだと思っている。日経エレクトロニクスの編集長は、極めて難しいポジションである。浅見氏のように飛び抜けて有能な人物を除くと、純粋培養で昇格させた場合は長もちしないと考えている(なお浅見氏はシリコンバレー支局長を経験しており、編集部とはやや離れた役割で働いたことがある。そういった意味では純粋培養ではない)。


浅見氏は日経エレクトロニクスの看板編集長として、雑誌をぐいぐいと引っ張ってきた。
月氏はどのような編集長となるのだろうか。「日経エレクトロニクス」は日本のエレクトロニクス技術と産業を代表する専門誌である。プレッシャーは相当なものだろう。なかなか難しいだろうが、できたら気楽にやって欲しい。1980年代後半の西村編集長時代、自分を含めた中堅編集部員はこううそぶいていたのだから。「編集長がいなくても、雑誌(日経エレクトロニクス)は出る(発行される)」