Electronics Pick-up by Akira Fukuda

日本で2番目に(?)半導体技術に詳しいライターのブログ

EETimes Japan 2007年12月号

この号のダイジェストはこちらにあります。
http://www.eetimes.jp/backnumber/mag0712.cfm


●特集「ボードの電源系雑音、最適設計で解決」
2部構成になっており、EETimes Japanとしては相当な大型特集です。
第1部は薩川格広記者による動向解説です。雑音対策部品と解析ツールの話題が主体となっており、それなりに参考になります。全体の雰囲気は製品サーベイです。
第2部はパワーインテグリティツールの寄稿です。「ターゲット・インピーダンス」が第1部では分からずにいましたが、ここで説明があったので助かりました。何のことはない、電源電圧変動幅の抑え込みのことでしたか。
記事全体からは、この内容が読者の何%に役立つのかな、ということが知りたいです。内容は結構基本的なので、役に立つ読者が多いことは、回路設計スキルを持った技術者が少ないことを意味するからです。私の印象ではセットおよびシステムのサイドに寄るほど、技術者は電気回路の詳しい内容を知らずに設計している(厳密には設計ですらなく、下請け管理なのですが)ので、ひょっとして相当な割合の読者の役に立ってしまうのではないかと、かえって心配です。



●Design Currents「計測器を故障から守る、取り扱いの注意点を伝授」
アジレント・テクノロジーの方による寄稿です。個人的にはタイトルを「計測器を無駄に壊さないために」と変えたくなりました。故障というよりも「損傷」が正しい表現に思えます。
寄稿の内容は素晴らしいです。信号発生器、オシロスコープ、ネットワークアナライザについて具体的に注意点を解説しています。フィールドの事例をフィードバックしており、すごく参考になります。
「壊れないように保護機能を付けろ」と言えないところが計測機器(特に精密計測を対象とするハイエンド品)の難しいところです。保護機能を付けることは、計測の精度を下げる方向に働くからです。
余計なことですが、アジレント・テクノロジーのウエブ・サイトで読めるようにするとか、ポケットブック化して計測器のマニュアルといっしょに入れるとか、して欲しいです。


【追記】
アジレント・テクノロジーのウエブ・サイトに元ネタとみられる情報がありました。某氏様、情報提供をありがとうございました。
「測定器を故障から守るマメ知識」
http://www.home.agilent.com/agilent/editorial.jspx?cc=JP&lc=jpn&ckey=801127&nid=-35734.0.02&id=801127&cmpid=24323


●Analyst View「「日の丸半導体復活」の処方せん、強者連合による業界再編が不可欠」
著名アナリストである豊崎氏の寄稿です。豊崎節が炸裂してます。処方せんとは、

デンソーによるNECエレクトロニクスの買収」(トヨタ自動車NECエレクトロニクスの統合)
ルネサス テクノロジによる松下電器半導体社の買収」
キヤノンによる富士通半導体設計部門の買収」
富士通半導体製造部門を核にしたファウンドリ企業の設立」

でした。賛同しかねる部分もあるのですが、とっても刺激的で参考になりました。


●マストヘッド(107ページ)
編集部の人員が11月号の6名から、12月号では4名に減ってしまいました。川上氏、高尾氏が抜けています。そのせいでしょうか、12月号はニュース記事が6本と通常に比べて少ないです。