Electronics Pick-up by Akira Fukuda

日本で2番目に(?)半導体技術に詳しいライターのブログ

当ブログではアフィリエイト広告を利用しています

マイナンバーカードのデザインがひどすぎて、担当者とその上司は出てこいと叫ぶ

マイナンバーカードのデザインがクソだ。カスだ。ひどすぎる。
こんなデザインをした担当者は出てこい、と叫びたい気分になる。
それは、何かの書類に添付するために、マイナンバーの証明書をコピーするときだ。いつも、暗澹たる気分になる。


読者の皆様は良くご存知のことなのだが、一応、確認しておこう。
マイナンバーを証明する書類は2種類ある。

1つは「通知カード」である。こちらはたぶん、住民票のあるすべての日本在住者に配られているんだと思う。

もう1つは「マイナンバーカード」である。こちらは一応は任意で、申請すると取得できる。
日本政府や地方自治体などが盛んに「良いことがあるから取得してくれ」と住民に絡んでくるのがこちらのカードだ。


でもって自分は、とりあえずメリットがないと判断しているので、「マイナンバーカード」は取得していない。
今の所はこれでなんの不便もないので、繰り返しになるが、マイナンバーカードは取得していない。


ところが。相方が政府と地方自治体の宣伝に乗っかってしまった。マイナンバーカードを作ってしまった。

我が家の場合、自分の仕事場にコピーマシンがある。プリンタ兼用の複合機だ。
普段はコピーマシンをあまり使わないので、使うときはフタの上にある書類をどかさければならない。

最近も相方に頼まれてマイナンバーカードをコピーするために、書類をどかした。
はなはだ面倒なのだが、自業自得というやつだ。仕方がない。

そして大事なことを忘れがちになる。マイナンバーカードは、表と裏の両方をコピーしなければならないということを。

運転免許証、パスポート、健康保険証などの証明書類があるなかで、両面をコピーしなければならないのは、たぶん、マイナンバーカードだけだ。
しかもマイナンバーカードは時間的には最後に開発された。それなのに、コピーが2回必要なのだ。バカなのか、このデザインは。

改めて相方のマイナンバーカードを眺める(自分のマイナンバーカードは存在しないので)と、
表面は 顔写真と住所
裏面は 個人番号
となっている。完全に泣き分かれている。これでは表と裏の紐づけができない。
例えば仮に表と裏のカードを別々にコピーすることも可能だ。身分証明の意味をなさない。
改めてクソなデザインである、と思い、これを担当して許可した役所は大馬鹿なのかと悲しくなる。


そして現実にはこういうことが起きている。身分証明の働きをなしておらず、単なる納税者番号となっているのだ。

何らかの申請書類に身分証明として添付する場合に、マイナンバーカードのコピーだけで済ませることはまずない。
運転免許証やパスポートなどのコピーを添付させられる。銀行はもちろんのこと、当のお役所関係機関でこれなのだ。


そしてマイナンバーカードは任意なので、持っていない人間の方がコピーの手間が少ないという矛盾が生じる。
マイナンバーの「通知カード」は表だけの1回のコピーで済むのだ。

通知カードはコピー1回、マイナンバーカードはコピー2回という矛盾。
しかも少なからず、切り抜いてのりで用紙に貼るという手間が生じる。これも通知カードは1枚なのに、マイナンバーカードは2枚で。2倍の手間がかかる。細かいことなのだが、ありとあらゆる場面でこのような「手間2倍イコールコスト2倍」が生じており、将来も生じるのだ。累積損失はバカにならないと思える。それもこれも馬鹿デザインのおかげだ。


マイナンバーカードは身分証明になります」という虚言を弄するのは、もう止めてほしい。
現実には単なる納税者番号程度の意味しかもたない。


マイナンバーカードという数十年も使い続ける、とてつもなく重要なもののデザインが、これほどのクソであるという悲しい事実。
これだけで日本の役所が考えている、マイナンバーカードに対する姿勢の軽さが透けてしまうのだ。


自分は一生、「通知カード」のままでいくだろう。
このような大馬鹿デザインのマイナンバーカードを所持するということは、日本国民として恥ずべきことだからだ(注:個人の感想です)。
こんなひどいデザインのカードは、一生、持ちたくない。


早くデザインを変えてくれ、とはあえて言わないでおく。

おそらく彼らは「デザインにはなんの問題もないと考えている」と言うだろうし、デザインを変える気など、そもそもないからだ。
役人とはそういうものだ。


運転免許証の更新やパスポートの更新、健康保険では、利用者が常にお金を払っている。
マイナンバーカードにはそういった仕組みがない。更新がない。放置プレイである。


だから、マイナンバーカードは技術的にはどんなにセキュリティ堅牢だと言い張ろうとも、偽造される可能性がもっとも高い。技術的には。
ところが幸いかつ悲しいことに。マイナンバーカードを偽造するメリットが犯罪者にとってあまりないのだ。


マイナンバーカードは単独では意味をなさない。ほかの証明書とセットで使われる。だから、偽造するメリットがほとんどない。
しかも運転免許証やパスポートなどは、単独で効力を持つ。だから、偽造するメリットがあるし、実際に偽造されたりする。


マイナンバーカードはその付加価値の低さによって、偽造から免れている、とも言えるかもしれない。
いや実はそんなことはなくて、自分の考えの及ばない利用方法があって偽造されて犯罪に使われる、という可能性はあるが。


マイナンバー」は納税者番号に過ぎない。いまのところは。そしてその状態は、将来も続きそうだ。
単なる納税者番号を、マイナンバーと言い換える愚行と愚策。そのように見えてしまうところに、マイナンバー制度の本質な悲しさがある。