PCWatch様にISSCC 2018レポートを掲載していただいております。
小腸の内視鏡検査に使うことを狙ったカプセル内視鏡システムの開発報告です。
カプセル内視鏡そのものはすでに実用化されています。日本ではオリンパスが発売しています。
オリンパス ニュースリリース: より高画質な観察に対応する小腸用カプセル内視鏡 欧州、中近東、アジア太平洋地域の一部で発売
ISSCC 2018で発表されたのは韓国のKAISTが開発したシステムです。
4個カメラ(イメージセンサー)によって周囲360度の全天周撮影を実行すること。
撮影画像の解像度がVGA(640✕480画素)と高いこと。
無線通信によって撮影画像データをリアルタイムに観察できること。
上記のような特徴があります。
カプセル内視鏡には被験者が飲み込める小ささが要求されます。
大きさに制約(4cc以下)があるため、超小型部品を高密度実装することになります。
最大の問題はバッテリの制限です。コイン型電池2個が精一杯で、電流容量としては60mAhしかとれません。
カメラとLED(小腸内部は真っ暗ですので、当然ですが照明用LEDが必要です)、画像処理回路、無線通信回路の消費電力を抑えなければならない。
制限要因はすごく単純で、被験者がカプセル内視鏡を飲み込んでから検査が完了するまで。8時間以上の寿命が必要となります。
なんといいますか。スマートフォンよりもスマートウオッチよりもはるかに、要求仕様が厳しい感じです(個人的な印象です)。
言い換えると、開発者の工夫が試される。やりがいのある課題だと言えます。
そしてKAISTが開発したシステムには、いろいろな技術が盛り込まれていました。なんか、凄いです。
カプセル内視鏡もすごいのですが、受信回路がまたすごい。受信回路がすごく重要です。
被験者の負担を軽くするため、受信回路はシステムがウエアラブルとなります。当然、バッテリ駆動です。
ですから無駄な回路は動かしたくない。そういった工夫が求められます。
記事ではその一部をご紹介しております。
個人的にはノリノリで、予定をはるかにオーバーする文字数となってしまいました(またか)。
おてすきのときにでも、この素晴らしい開発成果を堪能していただけるとうれしいです。
【イベントレポート】小腸内壁の様子を全天周で撮影するカプセル内視鏡 - PC Watch
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