「スペースシャトルの落日」
(ISBN:4767804183)
読んで愕然としました。言われてみるともっともな話です。ああ、恥ずかしい。
宇宙開発は米国が進んでおり、ロシアは遅れている・・・と思っていたのはトンデモナイ大間違いでした。ロシアのソユーズの方が「圧倒的に進んでいる」というのが正しい認識です。
スペースシャトル:遅延だらけ、死亡事故はすでに2回、その度に長期の打ち上げ延期。日本人宇宙飛行士は毛利さんで7年、土井さんに至っては12年待たされる。
ソユーズ:事故ほとんどなし。秋山さんは2年で搭乗。すでに観光旅行を開始(もんのすごい高額だけど)。
工業的に見れば、どちらが優れているかは明らかです。この本は、そのからくりを見事に説き明かしてくれました。スペースシャトルは設計思想の段階で失敗しており、宇宙開発を停滞させ、多くの人命と膨大なコストを失うハメに陥った、と著者の松浦氏は厳しく指摘されています。
もはや、本書を読まずにスペースシャトルを、そして宇宙開発の現状を語ることはできません。宣伝上手の米国にまたもやだまされてしまった・・・orz。