気弱になっているときに書店に入ると良くない。つい手にとってレジに行ってしまった。
しがみつかない生き方―「ふつうの幸せ」を手に入れる10のルール (幻冬舎新書)
- 作者: 香山リカ
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2009/07/01
- メディア: 新書
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本体価格740円プラス消費税。
読んで「失敗した」と心底感じました。
香山氏が「思う」ことをつらつらと書いた本、という印象です。
文体が平易なのと内容が薄いので、かなり短時間で読めてしまう。
そのことは良いのですが、決めつけが多くて納得しがたいことがかなりあります。
読んでいて脳内でいちいち反論したくなってしまう。それは物事の一面に過ぎない、と。
思うのは自由なんですが、商品としてはどうかな、と感じました。
それから「どこかで聞いた話だなあ」という部分がかなりありました。
新鮮味には欠けています。そして文章が分かりにくい。長い文章で最後に「・・・ない」と否定されると、脱力します。
「・・・と思う」、「・・・だそうだ」、「・・・のようだ」、「・・・かもしれない」、「・・・ではないだろうか」が目立ちます。あいまい文が多く、結構に疲れます。
思考を停止して軽く読んで自分の幸せをかみしめるのには適しています。
「ここに書かれている不幸な人たちと自分は違うんだ」との確認にはもってこいです。
ライターとして参考にすべきところは、商品の作り方です。
タイトルや各章の見出し、小見出しなどは、読者をひきつけるために工夫されています。
さすがに最終章の「<勝間和代>を目指さない」は恥ずかしくて真似できませんが(いや、ここまでやらないと売れる本は作れないのかも・・・悩みます)。
タイトルや小見出しなどは分かりやすい、断定的である、わざと抽象的な物言いにする、といった点です。本文とは違って。
本文を読みたくさせる技術は参考になります。