Electronics Pick-up by Akira Fukuda

日本で2番目に(?)半導体技術に詳しいライターのブログ

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連載記事:クリプトン物語(ITmedia)と初音ミク開発物語(日経エレクトロニクス)を比較する(番外編)

取材を受けてお話したことと、記事になった内容の違いの事例として。


今回の題材:日経エレクトロニクス2008年3月10日号(pp.123-127):開発物語「パソコン用歌声合成ソフト「初音ミク」 <最終回>みんなのミクになってみた」
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/HONSHI/20080304/148437/
(上記URLに載っているのは記事の導入部だけです)


この記事で取材を受けましたSF作家の野尻抱介先生が、取材で応えたことと記事内容の相違について述べていらっしゃいます。


【追記】12日現在は日経エレクトロニクスホームページの訂正欄にこの記事に関する訂正文は出ていません。本来は訂正文を載せるべきかと感じます。
http://techon.nikkeibp.co.jp/NE/correction/
日経エレクトロニクス誌の文章が正しいと信じられてしまうのはどうかと思いますので、野尻先生の掲示板に書かれていた相違点を以下に掲載します。



野尻ボード:
http://njb.virtualave.net/nmain0261.html#nmain20080309200039

http://njb.virtualave.net/nmain0261.html#nmain20080310200655
引用:「掲載誌と、それまでの連載が載った号が届きました。私が出ているのはほんのちょっぴりですが、そのわりにあちこち違和感が(^^;。原稿の事前チェックはできないとのことでしたが、そのぶん強気でイメージ演出してくるようです。こういうところのインタビューを受けるのは要注意だなあ。他人から見ればどうでもいい話ですけど、一応書いておくと。

・「初音ミクの歌声とイラストに一瞬で心を奪われた」

歌声についてはすぐに心を奪われましたが、イラストにはむしろ軽い嫌悪感を持っていました。あの巨大な髪が超現実的なのと、数字の刺青がユダヤ人の迫害とかを連想してしまうので。9月中にはイラストも「これでなきゃ」と思うようになってしましたけど。

・「音楽やイラストはあまり得意ではない」

音楽は不得意ですが、イラストは結構得意なつもり。少なくとも動画を作る障壁にはなってないです。最初の動画(ゴジラのやつ)は手描きイラストでしたし、音もMIDI以外は自作でした。

・「(上の理由で)趣味の電子工作を生かした動画の投稿をした」
この動画は自分の作品の中ではむしろ例外で、借り物の音を使ったのもこれだけです。

記事の他の部分は、第三者として読んだ限り、ちゃんとしていました。」
以上で引用終わり。


【さらに追加:自分が担当編集者になって訂正文を書いてみた】
2008年3月10日号(no.973)
【NE記事訂正】パソコン用音声合成ソフト「初音ミク」最終回
p.123中段下から三行目の「・・・イラストに、一瞬で心を奪われた」は「・・・イラストに、心を奪われた」の誤りです。
p.123中段下から一行目以降の「イラストは得意ではない。そう考えた野尻が思い付いたのが、趣味の電子工作を生かした動画の投稿であった。」は誤解を招く表現でした。野尻氏はイラストを比較的得意としており、初音ミクの自作イラストを使用した動画を複数、「ニコニコ動画」に投稿しています。電子工作を生かした投稿動画は野尻氏の投稿歴の中ではむしろ例外でした。以上、お詫びして訂正いたします。


この連載に関する前回のエントリー
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