Electronics Pick-up by Akira Fukuda

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これだからライブは面白い(NHK大型討論「格差社会」)

 4月2日(土)夜にNHKが放映したライブ討論番組「日本の,これから」シリーズの「格差社会」を半分ほど観た。すごく面白かった。

 最もウケたのは,参加者の一人が「この番組の出演料に格差がある」と暴露したことだ。司会者と特別ゲストがすり鉢の底に座っており,視聴者代表が取り囲むように階段状に座っているというスタジオだった。発言者は最上段に座っていた。発言者によるとすり鉢の底が出演料が最も高く,すり鉢を上がっていくに従って安くなっていくという。「私の出演料が最も安くて8888円」と暴露しているのを司会者が躍起になって「そんなことはありません」とあせりまくりで否定していた。これだからライブは面白い。

 特別ゲストの一人,ライブドア社長の堀江氏がまたよくしゃべる。人の発言を横取りしまくり。たたき上げでのし上がってきた人物の発言は事実に基づいているだけに,説得力がある。貧富の差は当然とする堀江氏に対し,大学教授の意見がきれいごとで薄っぺらに聞こえる。

 堀江氏の発言についてはいくつかのメディアが報道しているので参照されたい。
 http://www.nikkansports.com/ns/entertainment/p-et-tp0-050403-0015.html
 http://www.sponichi.co.jp/society/news/2005/04/03/02.html

 最初のテーマは規制緩和だった。私は「規制緩和」には基本的に賛成である。機会平等を実現するからだ。しかし結果の平等などはありえないし,幻想だし,そんなことを言っては自己の否定となる。人間の能力はばらつきがあるし,努力の程度だって違う。能力と努力,そして運が異なる。その結果が違ってくるのは当然のことだ。

 規制緩和の結果,仙台でタクシーが増え過ぎて(番組に出演した)タクシー運転手が食えなくなっていると嘆いていた。だから規制復活だという。まったく説得力がない。規制に守られていた時代,態度が横柄な運転手に何度も出会って何度も不愉快な思いをさせられた。理由なく乗車拒否に遭ったこともある。それに比べ,最近のタクシーは本当によくなったと思う。タクシー運転手で食えないのなら,食えるように努力するか,それでもだめなら転職すべきだろう。

 別の参加者が「努力しているのに結果が出ない」と嘆いているのに対し,堀江氏が「きっかけ」が必要だし,「何らかのきっかけで変わる」,「でもそれがいつのなのかはわからない」と応えていたのがよかった。まさにその通りだと思うからだ。

 大リーガーの「イチロー」が花開いたのは,選手登録の名称を鈴木一郎から変えたことがきっかけだった。漫画家としてはずっとぱっとしなかった倉田真由美がブレイクしたのは「だめんずうぉーかー」がきっかけだった。本当に,何がきっかけになるかは分からない。