Electronics Pick-up by Akira Fukuda

日本で2番目に(?)半導体技術に詳しいライターのブログ

日経エレクトロニクスの高額商品「日経エレクトロニクスPremium」

が2009年1月にスタートします。


日経エレクトロニクスPremiumの案内ページ
http://techon.nikkeibp.co.jp/NE/NEP/

日経BP書店の日経エレクトロニクスPremium案内ページ
http://ec.nikkeibp.co.jp/item/magazine/NEP.html


年間購読料金は1年契約が3万8000円、3年契約が7万9600円です。ちなみに通常の年間購読料金は1年が1万9000円、3年が3万9800円なのでPremiumはきっちりと倍額料金となります。


日経エレクトロニクスの広告収入は2008年に前年の5割〜6割程度に下がったと業界筋では噂されています。2009年は販売収入の拡大が不可欠、と考えて編み出したのがPremiumと考えられます。雑誌講読にプレミアム料金を持ち込むアイデアには正直、驚きました。凄い発想です。


で、その中身ですが。サービスの一覧をチェックしてみます。ホームページと日経エレクトロニクス12月29日号同封のパンフレットを眺めました。私は日経エレクトロニクスを定期購読しているので、Premiumへの乗り換えがお得かどうかの視点で見ています。


1)年間購読←通常購読と何も変わりません。同じ雑誌が届きます。
2)PDFダウンロードサービス←通常は月間20ページまで。Premiumですと月間120ページまでになります。これをどうみるか、ですが通常購読している私はPDFダウンロードをまったく使っていないので不要です。
3)縮刷版DVDが毎年1枚←3990円の節約です。欲しい人には、ですが。私は欲しいので価値ありです。
4)NEニュースメール←日経エレクトロニクスを購読しなくても無料で受け取れます。手続きが楽になるだけです。金銭的な魅力はありません。個人的には、これをシレッと特典であるかのように載せるのはあまり関心しません。


5)セミナーの割り引きが1回分、1万6000円割り引き←1回だけというのに吝嗇さを強く感じます。魅力はあまりありません。セミナー料金はほとんど会社払いで「セミナーのテーマありき」で参加の許可が降りるかどうかが決まるので、Premiumでの効果は個人払いないしは個人事業者に限定されます。1回とかいわないで6回とか、座席は前3列を確保とか、もう少し優遇してもよいと考えます。
6)展示会VIP待遇特別ご招待←何が良くなるのかが分かりません。別にVIPでなくても展示会には無料で普通入れるし。
7)別冊の読者特価優待←通常購読と何も変わりません。同じ優待料金です。


8)NEプラスの合本上下2冊(2007年〜2008年のすべて)←まずこれが要るのかどうか。仮に要るとしましょう。ここで問題となるのが、DVD縮刷版にNEプラスが入ってくるかどうかです。DVD縮刷版に掲載されているのであれば、この本は不要となります。Premiumの案内ではこの点が明確になっていません。
9)エレクトロニクス技術用語集←インターネット検索が発達している今、それほどの魅力はありません。


そして問題なのが、定期購読からPremiumへの乗り換え料金。1万9000円追加すれば乗り換えられると思っていましたが、そうではありません。仮に3冊送付済みの方の場合、追加料金は2万1193円とパンフレットにあります。定期購読期間が延びるので当たり前といえば当たり前なのですが。定期購読者がまったく優遇されていないと分かる点が、乗り換えの気持ちを萎えさせます。


イデアそのものは素晴らしいのですが、「ワンランク上」と断言する割りには、インプリメンテーションが甘すぎです。エアラインのやっている「ワンランク上のサービス」はこんなもんじゃありません。


正直、もっと素晴らしいものに仕上げて欲しいです。例えば。

1)番号入りのPremiumカードを作る←ステイタスの明確化とインターネットサービスの普及
2)日経エレクトロニクス主催のセミナーは全部無料にし、前3列の座席を確保する←このくらいはやらないとインパクトが出ない(もちろん代理出席は認めないのですが)
3)別冊やCD-ROMなどは読者特価ではなく、Premium特価として読者特価の半額とする←お得感の演出
4)購読料金は1年契約を廃止し、3年契約と5年契約だけとする←これは出版社側の事情なのですが、Premiumの継続コストが問題となるので煩雑になる1年契約は廃止し、5年契約を思いきった料金で新設する、という狙いです


良く考えるとなかなか難しいです、コレ。クレジットカードやエアラインなどのプレミアムサービスは年間に使った金額が50万円〜60万円というのが一つの目安になっています。ところが日経エレクトロニクスを含めた定期購読雑誌の年間購読料は2万円未満。つまり25分の1です。この客単価を2倍にしたところで4万円。50万円の10分の1以下です。この金額でワンランク上のサービスを提供しようとしても、相当に厳しいものがあります。1割をキックバックしても読者1名に対して4000円程度しか使えないのですから。


あとこれ、日経エレクトロニクス単独でやるのは無理があります。日経BP社の全製品共通のポイント制を導入してポイント累計に応じたサービスを作る方が合理的です。オンライン購入システムは稼働しているのですから、やろうと思えばできるのに。もったいないです。