Electronics Pick-up by Akira Fukuda

日本で2番目に(?)半導体技術に詳しいライターのブログ

日経エレクトロニクス2008年4月21日号特集、タイトル「東芝の勝算」の釣り


http://techon.nikkeibp.co.jp/article/HONSHI/20080414/150397/

タイトルを見て読み始めたら半導体、それもNANDフラッシュメモリの記事でした。
東芝の2007年度売上高(連結)は7兆6681億円。半導体の売上高は1兆3919億円で東芝全体に占める割合は18.1%です。NANDフラッシュメモリの売上高がさらに少ない金額(および割合)であることは確かでしょう。


にも関わらず、「東芝NANDフラッシュメモリの勝算」=「東芝の勝算」とのタイトルになるのは、なぜなのでしょうか。理解に苦しみます。



タイトルを見て、東芝全体の事業戦略を期待して読み始めた方は失望されたのではないかと危惧します。私は失望しました。このタイトルは「釣り」です。なぜ「東芝フラッシュメモリ戦略」でなかったのか。2005年8月1号特集では「IBM半導体の勝算」とのタイトルが付いてます。せめて「東芝半導体の勝算」にして欲しかった。悲しいです。


でも東芝NANDフラッシュメモリを注視している方にとっては非常に役立ちそうな内容です。SSDの動向をウオッチしている方には、特に第2部がお薦めです。元東芝の設計者で東京大学准教授の竹内健氏がSSDを解説寄稿しています。SSDはコントローラ(の考え方)が極めて重要なのですが、東芝が何を考えているかが原稿からのぞけます。この寄稿だけでこの号は買い、です。

一方、第1部はそれなりです。SanDiskとの関わりが知りたかったのに、書いてないし(取材できなかったのかもしれません。あるいは、東芝にとって話したくないところなのでわざと突っ込まなかった可能性もあります(理由は後述))。まとめると微細化と製造力強化(巨額の設備投資)にまっしぐら、です。


ドウヨ?と思ったのは担当の大石基之記者の編集後記です(170ページ)。
締めの文章「コスト競争力で勝負する東芝の方向は間違っていないと思います。」
・・・アレ? 東芝礼賛?
もっとすごかったのが日経エレクトロニクスのホームページにあるブログです。
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/TOPCOL/20080421/150716/
SSDiPodになれるのか」(2008/04/21 09:30 大石 基之=日経エレクトロニクス

タイトルが意味不明(本文を読まないと分からない)なのは放置しておきます。
締めの文章がこれです。
「・・・東芝のNANDフラッシュ・メモリ事業がさらに大きく飛躍することを期待しています」。
思うことは自由ですが、それを雑誌の公式なブログで表明することは、まったく別の意味を持ちます。「もちろん他社の飛躍も期待しています」なんで言い訳は通じないんですよ。ここに書いていないんですから。

今回の結論:日経エレクトロニクスの大石基之記者は、公式ブログと編集後記を見る限りでは、東芝NANDフラッシュメモリ事業の手先と化しているとの感を拭えない


【追記】この後の部分は取り消します。大人げない振るまいだと反省しました。

反論はいつでもどうぞ。


そういえば、ISSCC 2008の会場(サンフランシスコマリオット)で日経エレクトロニクスの進藤記者と私は挨拶を交わしました。しかし、同じ会場にいるはずの大石記者はついぞ、姿を見掛けませんでした。
この記事批評が影響しているのかもしれませんが。堂々と反論するなり、否定するなり、肯定するなり、欲しかったです。大マスコミの記者様が逃げる構図はみっともないですよ。