EETimes Japan様から頂いておりますコラム「デバイス通信」を更新しました。シリーズ「オンチップ多層配線技術」の第12回です。
今回から次世代リソグラフィ技術の1つである「自己組織化リソグラフィ」のパートを説明していきます。
「誘導自己組織化(DSA:Directed Self-Assembly)」と呼ばれる要素技術を使うので、「DSAリソグラフィ」とも呼ばれています。
共重合タイプの有機高分子の一部に見られる、熱処理によって規則的に高分子が集合して立体構造を形成する性質を利用します。
この性質は「自己組織化」(厳密には「自己集合」)と呼ばれています。
この性質を利用して平行配線群と同様の立体構造を作るように、誘導します。具体的には基板の表面を処理します。
DSAリソグラフィは光を使わない(露光工程がない)ので、光波長による解像限界が存在しません。原理的な解像度は数nmに達します。
DSAリソグラフィには当然ながら課題を数多く抱えています。
10年くらい前は、リソグラフィの国際学会に参加してもDSAに対する関心は低かったと覚えています。
しかし現在、露光によるリソグラフィ技術は「EUVの次」がありません。これが大きな問題です。
そこで、DSAリソグラフィに期待する声が高まっています。
詳しくは記事をお読みいただけるとうれしいです。
自己組織化と機能材料 (最先端材料システムOne Point 3)
- 発売日: 2012/07/24
- メディア: 単行本