PC Watch様から頂いておりますコラム「セミコン業界最前線」を更新しました。
「世界初のマイクロプロセッサ開発を巡る日米エンジニアの苦闘」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/semicon/1074825.html
世界初のマイクロプロセッサ4004の開発物語3部作、その最終回です。嶋正利氏とフェデリコ・ファジン氏の、二人のエンジニアが主人公です。
この二人の超人的な働きによって4004マイクロプロセッサを含めたチップセット「4004ファミリ」は、わずか9カ月で完成します。
しかし、入社3年目の平社員である嶋さんをたった1人で送り込むビジコンは、なかなか凄いです。良い意味で野蛮といいますか。そして米国でふつうの平社員には不可能な、ものすごい経験をしてしまった嶋さんは、日本に戻るとただの平社員で。CPUチップの開発はもうできない。そこで電卓開発が完了すると、嶋さんはビジコンを辞めてしまいます。ビジコンは半導体メーカーではないので、これはもうどうしようもない。
そしてIntelは・・・ちょっとこれはあんまりですよ。ファジンさん、可哀想過ぎます。京都賞の講演とか、ファジンさんが書いたマイクロプロセッサ開発の回想録とかを読むと、彼は自尊心がかなり高い人物であることがうかがえます。多結晶シリコンゲートMOSプロセスの開発については、本当に凄い自負があります。Intelのひどい仕打ちでかなり傷ついたんじゃないかと、勝手に心配してしまいます。
でもこの二人が仲良しになったおかげで8bitマイクロプロセッサの「Z80」が生まれることになる。なんかいろいろ、感慨深いものがあります。自分はマイクロプロセッサを初めて勉強したとき、このZ80の解説書を使ったので。すっかり忘れてますが(恥)。
お手すきのときにでも、記事をお読みいただけるとうれしいです。