- 作者: 岸見一郎,古賀史健
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昨年にベストセラー街道を驀進した「嫌われる勇気―「自己啓発の源流「アドラー」の教え」を読みました。その結果、アドラー心理学の創始者である「アルフレッド・アドラー」先生にはまりました。すとーん(はまりこむ音)。
フロイト先生、ユング先生と、心理学の巨匠に、はまってきた黒歴史(?)を持つ自分。やっぱり、というか、またか、というか、懲りないなあ、という気がします。マイブーム「アドラー先生の教え」が炸裂中です。素晴らしい。アドラー先生のお陰で人生が変わりそうな気がしています。気のせいかもしれませんが(爆)。
因果関係ではなく、原因を突き止めようとするではなく、目的を考える。考え方の手順そのものがアドラー先生は、根本から違っていました。目的論というアルゴリズムは、自分が抱えていた悩みのいくつかを解消してくれました。でも「アドラー心理学は劇薬」です。決して楽をさせてくれる訳ではありません。毎日を軽やかに、かつ、真剣に過ごすことを求められます。一瞬、刹那、今、を大切に生きる。それこそがアドラー先生の教え。
「人間の悩みはすべて対人関係の悩みである」
「対人関係の悩みで解決が最も容易なのは、仕事に関わる人間関係である」
「人は今、この瞬間から、幸せになることができる」
「仕事とは、他者に貢献することである」
「あらゆる縦の関係を否定し、すべての対人関係を「横の関係(対等の関係)とすることを提唱している」
「普通であることの勇気」
・・・など、示唆に富む言葉がならびます。
アドラー心理学で最も衝撃的だったことの一つに、「ほめることの否定」があります。「叱ることの否定」とセットになっているのですが、叱ることの否定は以前から心がけていたし、理解は容易です。これに対して「褒めて伸ばせ」とか、「まず褒めよう」とか、世の中には「褒めることが良いこと」という思想が蔓延しています。
ところが、アドラー心理学では「ほめても叱ってもいけない」と断言します。それは褒めることも叱ることも、「縦の人間関係」に基づくものだからという理由によります。ほめる人が上、ほめられた人が下、という人間関係です。そして褒めること、褒められることの弊害を理路整然と説きます。
「ほめるとは、能力のある人が、能力のない人に下す評価である」
ほめることが許されないとしたら、いったいどうしたら良いのでしょうか。「ほめず」に子供に勉強させることなんて。「ほめず」に部下のやる気を出させるなんて。不可能ではないでしょうか。なんという暴言を吐くのか、アドラー先生は。正直、混乱しました。
ところが、アドラー先生のおっしゃる通りだったのです。勉強も仕事も、結局は本人次第です。本人がやる気を出したときに、自分はできるかぎり援助する、そのことを本人に知らせておく。それで十分だと。そして本人がなにかしたときに掛ける言葉は「ほめる」ではなく、「感謝」だと。
「ありがとう」「助かったよ」「うれしかった」「とても感謝している」
そう、感謝こそが、「横の人間関係」を作る言葉。感謝こそが、平等な関係を、平等な家族を、平等な社会を作る。対等な言葉だったのでした。うわー。なんということだ。世界が変わりました。
ほかにもいろいろと考えさせられる言葉が、たくさん、ありました。とりあえず今回は、このあたりで。一読を薦めます。人生に悩むあなたに。