- 作者: 柳本光晴
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2014/02/10
- メディア: コミック
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女子高校生2人と男子高校生1人を登場人物として話が進みます。
二人の女の子のうち、一人は元気で活発で色黒で長身な子、もう一人は儚げでおしとやかで色白で中肉中背の美少女。
男の子は普通の背丈でイケメン、かな。
男の子と美少女は幼なじみ。
その二人に、高校でもう一人の元気で活発で色黒で長身な女の子が出会って仲良しになるところから、物語は始まります。
物語の視点は「色黒で長身な女の子から」を基本としています。つまりこの子が主人公のようです。
そして色白の美少女が、病気で死にます(タイトル通りです)。
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(以下は内容に触れる部分が少しあります)
色白の美少女は病状が悪化して入院すると、仲良しの二人と会うことを拒否します。
二人は面会に来ても、入れてもらえません。
それは「きれいなままの自分だけ」を記憶に残して置いて欲しいから。
病によって醜くなる自分を見せたくないから。
この心情は理解できますが、なかなか辛いのものがあります。
特に幼なじみの男の子は、美少女が好きだったし、美少女も男の子が好きだった。
残酷な展開となります。
展開の描き方は丁寧で淡々としています。登場人物の心情の描き方も大げさにならず、おとなしい。そのことが返って読み手の心を揺さぶります。
1巻完結の全7話で、6話までが本編で時間的に流れており、7話だけは番外編と言うべき話です。注目すべきは、美少女が死んだ後の時間を描いた「第6話」があることでしょう。「世界の終わり」とは「死ぬこと」とある意味で等しいのですが、生きている人々、残された人々にとっては「世界はまだ終わらず」に続きます。その残酷さがなんともいえません。
そして時間を巻き戻した「第7話」。男の子と美少女のやり取り。お互いが辛く、お互いが辛さを分かり合う。この話を最後に持ってくるとは。見事な構成です。
たぶん、身近な人(特に自分と同じくらい以下の年齢の人)が病気で死んだ経験の有無で、読んだときの印象が変わると思います。病気で死んでいくって相当に壮絶なできごとなので。親兄弟子供は、最後は看病でボロボロになります。友人はどんなに親しくてもしょせんは他人なので、この枠組みですと闘病生活の凄絶さは描けません。
死んでいく美少女の親兄弟から見た、まったく違う物語がそこにはあるはずなのです。
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