Electronics Pick-up by Akira Fukuda

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東芝のデジタルテレビ「レグザ」がやってくれました

以前にテレビのコマーシャル音量が大きいことについてこんなエントリーを書いたのですが。


すみません。うかつでした。4月に発売された東芝のデジタルテレビ「レグザ」に自動音量調整機能が付いていたのですね。
http://www.toshiba.co.jp/about/press/2008_04/pr_j0902.htm
http://www.regza.jp/product/tv/lineup/zv500/concept.html


ドルビーの音響技術「ドルビーボリューム」を採用していました。
http://www.regza.jp/product/tv/detail/dolby/function.html


上記URLのページを読みますと、相当に複雑です。オーディオDSPとファームウエアでFFTと逆FFTを実行しているのですが、相当な処理速度が要求されます。リアルタイムでやれるのか、少し心配になるくらいです。でもリアルタイム処理しているから製品になっているのか。

オーディオDSPには、例えばシーラス・ロジックが2007年12月に製品化したCS48DV2が考えられます(東芝のレグザに使われているという意味ではありません)。
http://www.cirrus.com/jp/press/releases/P546.html

http://www.regza.jp/product/tv/detail/dolby/function.html
このページの技術解説は分かりやすくてありがたいです。音声のデジタル信号処理なので当然ながら、位相が回っちゃいます。位相ズレの処理をうまくやらないと時間遅延が発生しそうな気がします。


価格.comのコメントではファームウエアを適宜改良して時間遅延に対応しているようです。
http://rss.kakaku.com/bbs/20417010930/SortID=8340181/
自動調整なので処理がすごく複雑で、音量と周波数特性と聴覚特性が入り組んでいる状況を違和感なく出力できるようにアルゴリズムを作らなければならない。結構大変そうです。

機能は凄いのですが、こんなことしなくてもアナログ出力になって減衰かける「マイナス3dBボタン」で良いような気も・・・って。これだと余分なアッテネータが入るのでTHDが悪化するかな。最近のデジタルテレビは音質が凄く良いので、アナログ段階での処理ではまずいのかもしれません。