Electronics Pick-up by Akira Fukuda

日本で2番目に(?)半導体技術に詳しいライターのブログ

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日経エレクトロニクス2008年4月7日号特集に突っ込んでみた

前回のエントリーはここです。
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特集「CO2は見せて減らす」
担当記者:浅川直輝氏、宇野麻由子氏
掲載頁:47頁〜67頁



それでは、突っ込みます。


48-49頁見開きから
タイトル「環境問題は地域から、国、世界へ」
突っ込み)もっと考えましょう。タイトルが古すぎです。オゾン層破壊が問題になった1980年代に使われたフレーズです。日経エレクトロニクスでも地球を表紙にした特集を掲載したはずです。


本文「2050年までに世界の温室効果ガスを半減」
突っ込み)いつと比べて半分にするのでしょうか。基準値が見当たりません。

本文「先進国は2050年までに温室効果ガスを70〜80%削減する義務が」
突っ込み)だから、何年の排出量と比べて?

本文「本命は、やはり産業部門や家庭部門で化石燃料や電力の消費を減らす省エネルギーになりそうだ」
突っ込み)なぜでしょうか。例えば、森林資源の減少を食い止め、回復させたり、増やしたりすることが重要な対策(炭酸ガスの吸収)として挙がっています。
http://www.rinya.maff.go.jp/seisaku/sesakusyoukai/ondanka/kyusyugen10.pdf
http://www.s-naga.jp/wood/
そしてアマゾンの熱帯雨林の減少が大問題となっており、こちらを食い止める方がずっと重要なように思えます。
http://www.nikkeibp.co.jp/style/secondstage/tanoshimu/nng_070119.html
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/environment/2322177/2432517
少しは森林資源にもふれておくべきでしょう。57頁のQ&Aだけで完了ですか・・・・(泣)。



第1部 50頁〜56頁
50頁要点「先進国を中心に環境規制が大幅に強化されるのは必死だ。」
突っ込み)なぜか環境規制に抽象化されています。それにすでに環境規制はいろいろと強化されてきているので、これ以上の大幅強化とは何を指すのかがよくわかりません。受けとなる文章がないです。

52〜53頁
本文は「EUは2020年までに・・・排出量を1990年比で20%減とする目標を掲げた」
表1はEUについて「全体で温暖化ガス60〜80%削減」
突っ込み)数値があまりにも違いすぎます。ひょっとして温室効果ガスと温暖化ガスとは違うものなのでしょうか。

57頁のQ&A
突っ込み)発電でなぜ炭酸ガス排出量が増えるのかぐらいは説明したほうがよいのでは。本文はほとんど、電子機器の電力消費が発電量増加と関係するかのように書いているのに・・・。


第2部
60頁要点「1990年度に比べて53.7%の増加となった」
突っ込み)何年のデータなのかがわかりません。2006年?2007年?。そして出典が分かりません。本文読んだけどみつからなかったんですよ。


同上「最終的に目指すのは、火力発電など、・・・・エネルギー供給体制からの脱却だ」
突っ込み)論旨が変です。直前の文章はシステム全体での省エネ策だったのに。時間軸として「最終的」のつもりのようですが、うまく伝わりません。せめて「将来的に」とか、直前の文章に時間的なスパンの表現を入れるとか、して欲しいです。


64頁本文「自然エネルギーの徹底活用」
突っ込み)家庭での自然エネルギー利用がテーマなのに、「太陽熱温水器」を忘れているようにみえます。日本で降雪のほとんどない地域に行くと、一戸建ての屋根に載っているのが普通にみられます。あれってすごい省エネなのに。


65頁本文「それが第3段階の「地域の連携」である。・・・・風力や水力、地熱、廃熱などを利用できる可能性も出てくる・・・・経済面での連携もある。・・・・電力の送電が必要になる・・・超伝導ケーブル・・・」
突っ込み)文章の主題と追跡すると、地域連携→自然エネルギ利用→低CO2型街造りと地域通貨→発電した電力の融通→住友電工のケーブル開発(企業の開発話)となります。主題がずれまくってます。そもそも家庭での発電は、電力系統との連携が大問題ですし、地域の発電でも同様です。電力会社がどのように考えているのか、取材しているのでしょうか。


すみません、とっても疲れました。このへんでいったん止めときます。