Electronics Pick-up by Akira Fukuda

日本で2番目に(?)半導体技術に詳しいライターのブログ

日経エレクトロニクスの電力回生特集で残念だったこと

日経エレクトロニクス2007年10月22日号特集「電力回生」
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/HONSHI/20071015/140640/


JR小海線に導入されたキハE200形に感動した清水記者が2007年8月にブログを書いたことがきっかけのようです。
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/TOPCOL/20070801/137217/
突っ込みどころ満載のこのブログ、自分がコメントしようと思ったときには鉄道関係の突っ込みがたくさん入っていました。流石です、コメントされた皆さま。



回生技術に興味を持っていただいたのは、元鉄っちゃんとしては非常に有り難いことです。
しかし、特集記事になってまで、鉄道システムがこんなに無視されるとは考えませんでした。ハイブリッド自動車には興味があって、キハE200には興味があっても、既存技術である鉄道については取材してくださらなかったようです。残念です。


というわけで、特集記事に突っ込みます。
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/HONSHI/20071015/140640/
上記ページには「家電やコンピュータに押し寄せる電力回生」とありますが、家電とコンピュータでの事例は見当たりません。期待しないでください。

58ページに電力回生の実用は電車で1980年代末から始まったとありますが、電力回生ブレーキを使った電車は1970年代末に実用化されています。例えば京浜急行の電車800形は同社初めての回生ブレーキ導入車として、1978年に登場しています。
http://www1.ttcn.ne.jp/~Hikari-0series/KEIKYU/800.html
http://www.keikyu.co.jp/train/zukan_800.shtml


63ページ「蓄電装置と組み合わせた電力回生技術はハイブリッド車で花開いたといえる」とありますが、自分は異なる見解です。電気鉄道で花開いたと考えています。
それは京浜急行電鉄が蓄電装置「フライホイール」の実用運転を始めた1988年(昭和53年)です。変電所の負荷だけでなく、蓄電装置を利用した電力回生システムです。
http://www.keikyu.co.jp/corporate/kankyo_tor_tetsudo_shisetsu.shtml


65ページ 「従来の気動車」の図解は、日本の鉄道システムだけしか考えていないようです。海外で数多く存在する、電気式気動車が無視されています。


電力回生を使った省エネルギーに積極的な京浜急行電鉄くらいは取材して欲しかった。
切実に思います。本当に残念です。


10月21日追記:交流モーターによるVVVF制御を採用した1500形や2100形、羽田変電所の電力回生インバータ装置など、京浜急行電鉄はネタの宝庫です。ご存知の方も少なくないと思います。
http://www.keikyu.co.jp/train/zukan.shtml