Electronics Pick-up by Akira Fukuda

日本で2番目に(?)半導体技術に詳しいライターのブログ

日経エレクトロニクス誌面増強の内容分析


エレクトロニクス総合誌「日経エレクトロニクス」が2007年4月9日号から誌面増強を実施しました。最近になってその内容がようやく理解できてきたので、下記に述べます。
もちろん私見ですので、ほかの見方もあります。


4月9日号には編集長が「誌面増強に当たって」と題して増強の内容を記述しています。
その内容と、3月以前の日経エレクトロニクスの誌面、および4月以降の誌面を比較してみます。



1)チュートリアルの新設:これは新設とは呼べないことが分かってきました
3月以前にはNETSというコラムがありました。元々このコラムはチュートリアルが2〜3本くらい掲載されていたのですが、最近では市場統計やトレンドなどの記事が掲載され、何のコラムか分かりにくくなっていました。これを4月以降は原型である「チュートリアル」に戻したように見えます。
良く分からないのは、4月以降もチュートリアルの扉に「NETS」と小さく残されていることです。NETS欄の広告料金だけが別体系なので、そのせいで名前を残しているのかもしれません。読者にとっては何の記号かは分かりませんね。



2)NEプラスについて改めて注記:3〜4カ月に1回のペースでテーマ別に60頁以上もの大ボリュームで解説記事が数本、まとめて掲載されているのがNEプラスです。
NEプラスは4月ではなく、1月1日号の「マイコン」から始まっています。4月以降というよりは、2007年1月以降の誌面刷新の一環でしょう。4月9日号には「ワイヤレス」、7月2日号には「アナログ」をテーマに掲載されています。


3)ウオッチャーとワールドレポートの新設:アナリストなどによる寄稿が主体です。これは新設であり、これまでになかったコラムです。



4)特集が3本になり、さらに解説が載りました:これは本数が増えたように見えます。その点では増強かなと思います。ただ、特集3本(特に第2特集、第3特集)と解説の違いがいまだに分かりません。Buyers Guideは解説に吸収されたようです。


5)WWWサイトにはない独自の情報「特報」:ちょっとやられました。自分が間抜けでした。3月以前には「Whats New」という1〜2頁の記事があり、4月以降はこれが廃止されています。その代わりに「特報」ができたということで、コラム名の変更に過ぎないと気付かなかったことです。違いは、Whats NewではWWWサイトの記事と重複するものがあったのが、「特報」はWWWサイトには掲載されない、という違いです。
「特報」は最初、独自ネタだけかと勘違いしていました。その点で「やられた」のです。Whats Newにも独自ネタはありましたし、特に凄いことが起こったわけではありませんでした。間抜けでした。


6)「実録」:以前からあった人気コラム「Tech Tale」と基本的には同じでした。失敗事例も入るとした点が少し変わったところでしょうか。しかし日経ビジネス誌の「敗軍の将、兵を語る」、日経ものづくり誌の「事故は語る」に比べると失敗事例でのパワー不足は否めません。


7)「論文」、「NEインタビュー」:「Guest Paper」、「Interview」のコラム名変更でした。


8)「組み込みアカデミー」:1月1日号からの新設連載コラムです。寄稿です。1月1日号のマイコン基板付録連動企画です。


9)「ひと」:1頁で人物にスポットを当てた記事です。編集長の説明にはありませんでした。正直言って「つまらない」です。その昔、日経エレクトロニクスには「ラボラトリーズ」という新人教育用のコラムがありましたが、似た雰囲気を感じます。視点が定まっていないのです。


以上、ざっとみてくると、「NEプラス」と「ウオッチャーとワールドレポート」、「組み込みアカデミー」だけが正味の「増強」であることが分かります。
特に「NEプラス」は凄いです。ただし、3カ月に1回の掲載で「誌面増強」とみなせるのかどうかは、疑問の余地があります。日経エレクトロニクスは隔週刊なのですから。毎号の誌面がパワーアップしていることが肝要だと自分は考えます。


なお、最近の日経エレクトロニクスのパワーが落ちているとは思っていません。
例えば、6月18日号のインタビューとワールド・レポートは秀逸でした。
現在感じるのは、以下のようなことです。
1)独自色を出せるコラムと、ニュースのように独自色を出しにくいコラムでプライオリティ(優先順位)をきちんと分けること。独自色を出せるコラムでは、記事を必ず尖らせること。
2)すべてのコラムで視点を明確にすること。特に「キーワード」と「ひと」は、どんなコラムなのかを明確にして欲しい。



有益なアイデアはあまり言えずに文句ばっかり言っているようで
恥ずかしいのですが、これでも
日経エレクトロニクスを応援しているのです。
そのことだけでも分かっていただければ幸いです。