Electronics Pick-up by Akira Fukuda

日本で2番目に(?)半導体技術に詳しいライターのブログ

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卒業25周年

自分はかつて、ある私立総合大学を卒業しました。
この大学には卒業後25年を経過すると、卒業式に招待する制度があります。

マンモス大学なので卒業式は2段階に分かれています。
まず全学部の卒業生が出席できる(義務ではない)卒業式が、午前にあります。卒業25周年で招待されるのはこちらです。
そして卒業証書を卒業生に渡す卒業証書授与式が各学部の各学科に分かれて午後にとりおこなわれます。こちらは卒業生と先生、来賓だけが出席します。


自分の卒業した学科では、卒業証書授与式の最後に、卒業25周年を迎えた方から祝辞をもらうことになっていました。でもって今年はなぜか自分が、卒業25周年の代表として祝辞を述べたのでした。


卒業証書授与式の前に、久し振りに学科事務局を訪れて少し世間話をしました。学部の学生は2年に進級するときに、学科を選ぶシステムです。自分の卒業した学科は、最近は学生にあまり人気がない、そこで人気回復を図りたいということでした。ささやかながら、自分も力になりたいと応えつつ、事務局を後にしました。


最近の学生は授業をまともに聞かないとか、携帯電話が授業中になって困る(あるいは携帯電話でメールを打つ)といった情報を得ていたので、自分の拙い話しが聞いて貰えるかどうか、話す前はかなり心配でした。
ですがそんな心配は無用で、私語をする学生はゼロ、学生の携帯電話が鳴ることもゼロ。非常に礼儀正しい卒業生でした。


少し気になったのは留年者(5年以上かかって卒業する学生)の多さと、式に欠席する学生が10名程度(この学科の卒業生は100名ちょっと)いたことです。でも全体の印象は良い方向に働きました。





ところが。
卒業証書授与式の最中、先生方の携帯電話が着信(さすがにマナーモードにしてあります)すると、教室から退室してしまうのです。卒業生の目の前で。
そして何より、卒業証書授与式に出席する先生が少ないのです。半分以下の先生しか出席していません。
教え子の卒業式に出席しない先生が多数いては、学生の人気が低いのは当然でしょう。
祝辞の最初に、先生方に対して先生の出席率とマナーに対して苦言を呈そうかと思ったくらいでした。
いやもちろん、そんな事は言いませんでした。そもそもここに出席している先生は、良心的な方であり、言うべき相手はここにいない先生方なのです。ここで言ってもあまり意味はありません。



教え子の晴れ姿を見に来ない先生に、学生人気をうんぬんする資格はあるのでしょうか。
新入社員の入社式に欠席する社長を見てしまったような卒業25周年でした。