Electronics Pick-up by Akira Fukuda

日本で2番目に(?)半導体技術に詳しいライターのブログ

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大手エレクトロニクス企業と偽装請負(そのいち)

すみません。このエントリーは、記事の読み込みと分析が不足していました。事実関係に誤りとかがあるのではなくて、まともに整理できていませんでした。エントリーそのものは反省の意味をこめて曝しておきます。
以下は改訂増補版だと思って下さい。


週刊東洋経済2007年1月13日号特集「雇用破壊 もう安住の職場はどこにもない」の記事分析です。


●2006年夏、偽装請負が社会問題化する(週刊東洋経済1月13日号特集47頁から)。
関連記事:しんぶん赤旗2006年10月29日付け「偽装請負 まん延する違法労働」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-10-29/2006102925_01_0.html


●2006年夏、キヤノンが請負社員数百人を正社員化すると報道される(同48頁冒頭)。
朝日新聞記事:キヤノン偽装請負一掃へ 数百人を正社員に
http://www.asahi.com/special/060801/TKY200607310407.html
関連ホームページ:キヤノンは「外部要員管理適正化委員会」を設置し、社内で勤務している請負・派遣労働者の正社員採用を本格的に実施することを表明
http://www.t-union.or.jp/cannon/seishainka.htm


●正社員登用の期待が高まったが、10月21日、請負会社が派遣契約への変更を労働者に通告(本文48頁)。朝日新聞の記事や上記の社長表明はレンズ研磨工程には適用されなかったことが分かります。


キヤノン中途採用求人情報には、「派遣社員等で現在キヤノンに勤務中の方の参加はご遠慮ください」との注意書きが。・・・中途採用への応募も門前払いしていたのだ(本文48頁)
関連ホームページ:キヤノン中途採用求人情報(@type)
http://type.jp/p/e/c/292/
関連ホームページ:キヤノンのキャリアアップ説明会(2007年1月27日開催予定)
http://type.jp/seminar/company.do?id=292
関連ホームページ:キャリアアップ説明会の詳細(2007年1月27日開催予定)
http://type.jp/seminar/detail.do;jsessionid=9CEEF0D3B86F38D800C3097A2012545A.user_lb_2?seminarId=39&x=82&y=12
ここに、「1年以内に応募された方、もしくは派遣社員等で現在キヤノンに勤務中の方の参加はご遠慮下さい。」との注意書きがまだありました。


●2006年10月。大阪労働局が請負会社「コラボレート」に対して事業停止命令を出す。コラボレートは請負最大手クリスタルグループの中核会社です。
関連記事:しんぶん赤旗2006年10月29日付け「偽装請負 まん延する違法労働」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-10-29/2006102925_01_0.html
関連記事:しんぶん赤旗2006年10月4日付け「コラボレート業務停止命令」
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-10-04/2006100405_01_0.html
関連ホームページ:東京ユニオンキヤノン㈱にも、コラボレートと雇用契約を締結しながら働いている労働者がたくさんいるようです」
http://www.t-union.or.jp/cannon/gisouukeoi.htm
関連エントリ:「例えばソニーと松下が,請け負い最大手のクリスタルを急成長させたことは功罪半ばすると分かる」
http://d.hatena.ne.jp/affiliate_with/20050501
関連書籍:「ぼくと会社とにっぽん再生」(日本経済新聞社
ぼくと会社と“にっぽん再生”―変質する企業社会戸惑う現場


●2006年12月9日、キヤノン宇都宮光学事業所でレンズ研磨工程の請負労働者が労働組合を結成、栃木労働局に実態を告発し、キヤノンに直接雇用を要求(週刊東洋経済2007年1月13日号特集本文47頁)。


キヤノンはこの2年間ステッパーの新製品を投入できず、とりわけ最先端製品はシェアが限りなくゼロにまで落ち込んでいる(同本文48頁)。
関連記事:MYCOM Jounal「Microlithography 2006 - 45nm対応ArF液浸露光装置の最新状況を発表」
http://journal.mycom.co.jp/articles/2006/02/25/ml1/index.html
先端機種である液浸スキャナでは、競争相手であるASMLおよびニコンに比べ、キヤノンの開発遅れが明らかに。


●請負労働者が担当する非球面ミラーレンズ工程。ある請負会社が撤退した穴を(キヤノンは)全国からの正社員で埋めようとした・・しかし・・・結局別の請負会社にツケが回った(同本文48頁)


なお「同じ仕事であれば、同じ待遇を」が私の考え方です。
キヤノンはレンズ研磨工程の労働者をすべて、正社員として雇用すべきです。

関連記事:しんぶん赤旗2006年10月20日「キヤノン偽装請負 告発されて 御手洗経団連会長“法律が悪い”「制度見直せ」と居直り
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2006-10-20/2006102001_01_0.html