Electronics Pick-up by Akira Fukuda

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キヤノンの偽装請負とその顛末

週刊東洋経済1月13日号特集紹介の続きです。
キヤノンの「偽装請負」に関する顛末を特集では詳しく報じています。


【追記:このエントリは完成度が低かったので、改訂増補版をこちらに掲載しました。先に改訂増補版をご覧ください】


半導体露光装置(ステッパやスキャナなど)の非球面レンズ研磨工程が偽装請負の舞台であり、そのことが露光装置の新製品開発に影響を及ぼしているという内容(本文48頁)に引き付けられました。
半導体露光技術に関する世界最大の国際会議「Microlithography 2006」を取材したときに、キヤノンの元気のなさが気になっていたからです。取材記事がここにあります。先端機種である液浸スキャナでは、競争相手であるASMLおよびニコンに比べ、キヤノンの開発遅れが明らかでした。


労働者が労働組合を結成する場合、企業側あるいは経営側が大きな問題を抱えているとみてほぼ間違いありません。

東京ユニオンキヤノン支部派遣労働者、請負労働者を支援しています。

参考)勤務実態が派遣労働でありながら、請負契約を装って「偽装請負」を行なっていたコラボレートに対して、厚生労働省が事業停止命令を出した件
http://www.t-union.or.jp/cannon/gisouukeoi.htm

参考)キヤノンは「外部要員管理適正化委員会」を設置し、社内で勤務している請負・派遣労働者の正社員採用を本格的に実施することを表明
http://www.t-union.or.jp/cannon/seishainka.htm


ただしキヤノンでは、2006年12月9日には非球面レンズ研磨工程の請負社員が労働組合を結成し、実態を栃木労働局に告発しました(週刊東洋経済1月13日号本文47頁より)。非常に重要な工程なので請負が実態に合わない。にも関わらず、正社員と同じ仕事をしている請負労働者を正社員化しようとしないキヤノン。無理を承知で形式を取り繕った結果、「よい製品ができる状態ではとてもない」(同本文48頁)。早く正社員になれることを願っています。