Electronics Pick-up by Akira Fukuda

日本で2番目に(?)半導体技術に詳しいライターのブログ

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広告宣伝関係者必見!<メディアキットの読み方(1)>


メディアキットとは、雑誌や新聞、ウエブマガジンなどのメディアが、広告を取るための説明資料です。
雑誌の発行部数とか、読者はどんな属性だとか、雑誌はどのくらい評価されているかとか、広告料金はいくらだとかが書いてあります。


ただ、このメディアキット、当たり前のことですがどれもこれも自画自賛の嵐です。
自分のメディアがものすごく素晴らしく、ものすごい広告効果が得られそうに書いてあります。このため、嫌気がさしてメディアキットを読まない、という方もおられます。

しかしちょっと待って下さい。メディアキットは、読み方次第では結構いろいろな情報が入手できるのです。もっと重要なのは、足りない情報が把握できることです。


そこで当ブログでは、拙い経験を元に得られたいくつかの知見から、メディアキットの読み方、あるいは、広告効果を測るためにメディアが出すべき情報とその検証方法、について論じることにします。


初回はもっとも大切な指標である、部数について説明します。
発行部数を明示しないメディアキットは珍しいと思います。
公称5万部とか、公称10万部とか、いろいろ書いてあります。


最初にここが肝心なのですが、大半の出版社は部数について水増ししているという事実を認識してください。「公称部数」とある場合はたいがい、水増しです。


部数に虚偽がなさそうだと判断できるのは、「部数公査機関」の監査を得て掲載している数字のみです。日本では日本ABC協会の公査を受けている雑誌と、BPA Worldwideの公査を受けている雑誌が存在します。とりあえずどちらかの公査を受けているかどうかがポイントでしょう。ですが悲しいことに、ABCあるいはBPAWWの公査を受けているメディアはごくごくわずかです。


このほかには、日本雑誌協会が発行しているマガジンデータがあります。印刷証明付きの部数が掲載されています。2000円とお手ごろな値段なので入手しやすいです。
ただし、数字が印刷部数であって販売部数でない点に注意してください(印刷部数>販売部数)。ABCやBPAWWに比べると部数の信頼性は落ちますが、何もないよりは遥かにマシというところです。


それでは何の裏付けもない「公称部数」は、実際の発行部数とどのくらいズレているのでしょうか。
出版社がどのくらいウソをついていないかによりますが、実数の2倍〜3倍というあたりが相場(?)だそうです。「話半分」ですね。



次回は部数公査の実際について解説する予定です。