Electronics Pick-up by Akira Fukuda

日本で2番目に(?)半導体技術に詳しいライターのブログ

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記者はエライのか?

某新聞社系出版社で働いていたとき,取材で初めて訪問した相手の方から以下のように言われたことがある。
「あなたは××誌の記者とは違いますね」(注:××誌とは同じ出版社で発行している著名な経済誌のことである)。


なんのことか良く分からずに尋ねると,××誌の記者は態度が横柄だったり,偉そうだったりするのに対し,自分はそうでないということだった。××誌の取材に応じたら,「「取材してやっているんだから有難く思え」という態度なんですよ」。でも何か悪いことを書かれたら怖いので,直接,文句は言えない。


同じことを複数の企業で伺ったので,かなり共通の現象なのだろう。はっきり言って記者の方が異常である。取材に際して謝礼を払うことはまずない。取材の時間は,相手の仕事の邪魔をしているのである。感謝の気持ちでお話を伺って当たり前,と思っていた。


それでも新聞社系雑誌記者というのは相手から見ると怖いんだ,お愛想だらけなんだ,と思う。それを実感したのは転職してからである。まず,某外資系出版社に転職したら,技術専門誌ということで態度がオープンになった方が少しいらっしゃった。そしてフリーランスになったら。状況は激変した。エレクトロニクス産業で働く皆さまが,かなりいろいろなことをお話してくれるようになった。以前とはかなり違う。


雑誌の看板がないと,取材がしにくいとか,うさんくさい目で見られる,ということは確かにある。新聞社系出版社よりも外資系出版社の方が取材のアポイントメントは取りにくかったし,フリーになってからはアポイントメント取りは,ほとんどしてないに等しい。


ところが,お会いした方とお話をすると,雑誌記者時代と内容が変わってきた。ずっと,フランクなお話を相手の方がしてくださる。本音やお気持ちを伺いやすい。フリーの方が「本当のこと」に近づきやすいのかも,と感じているこのごろである。