某誌編集長と雑談をしているときに、「明日の技術」と「明後日の技術」という言葉を思いだした。技術専門誌の編集部にいたときに、よく使っていた言葉である。
ある技術を記事に取り上げるとき、それが実用化あるいは商用化されるのかどうか。記事を読んでいる方に実用化の位置付けが分かるように原稿を書かなければならない。
「明日の技術」とは、実用化がほぼ確実な技術や、商用化を前提とした技術を指す言葉である。半年〜1年くらいで技術成果を技術者が享受できるようになる。
一方、「明後日の技術」とは、実用化のスケジュールが見えていない技術のことである。「実用化は5年先」とあったらそれは「明後日の技術」を指す。3年後、いや5年後にも「実用化は5年先」と同じことを開発者が表明している可能性が高い。いつモノになるのか、まだ分からない。
明日の技術とあさっての技術の区別がつくかどうか。この区別がつかないようでは、専門誌編集としては失格だろう。一般誌には、この区別がつかない記事が数多く掲載されているのだから。