Electronics Pick-up by Akira Fukuda

日本で2番目に(?)半導体技術に詳しいライターのブログ

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昨年(2018年)の本ブログを振り返る(7月と8月から)、QLC方式の3D NANDフラッシュがSSDで降臨

昨年(2018年)に本ブログで何を書いてきたのかを振り返るシリーズ。その第4回です。

今回は7月と8月の振り返りとなります。

まずは7月です。
2018-07-01から1ヶ月間の記事一覧 - Electronics Pick-up by Akira Fukuda

7月6日にはコラム「セミコン」で、「考えるだけでスマートフォンを操作する技術の研究」を紹介しています。VLSIシンポジウムで発表された研究成果です。非常に面白い研究なので、気合を入れてレポートしました。
【福田昭のセミコン業界最前線】考えるだけでモバイル機器を操作。耳の孔に挿れる脳波検出モジュールを試作 - PC Watch
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7月18日にはコラム「セミコン」で、フラッシュメモリを内蔵するマイクロコントローラ、すなわち「フラッシュマイコン」の開発物語を上梓しました。それまではUVEPROM(開発と試作)とマスクROM(量産)を組み合わせていたマイコンのファームウエア開発の姿を、完全に変えてしまうマイコン史にとっては画期的な発明です。開発の主役は日立製作所。現在のルネサス エレクトロニクスです。

7月23日にはコラム「セミコン」で、フラッシュマイコンの微細化限界を議論しています。もともとはこちらが先にテーマとしてあったのです。ところがいろいろと調べているうちに、「フラッシュマイコン開発物語」が出てきて先行執筆することになるという(苦笑)。芋掘りしていたら別の大きな芋まで取れてしまったとでもいいましょうか。たまにある展開です。

7月30日にはコラム「セミコン」で、MRAMを内蔵するマイコンの開発状況を解説しています。フラッシュマイコンの微細化限界を突破する、埋め込み不揮発性メモリ技術の有力候補です。


続いて8月です。
2018-08-01から1ヶ月間の記事一覧 - Electronics Pick-up by Akira Fukuda

8月8日のコラム「セミコン」では、埋め込みReRAM技術の開発状況を解説しました。現在のところはパナソニックTSMCが主導しています。今後は開発企業が増えることが期待されます。

8月10日から、8月の恒例イベント「フラッシュメモリサミット(FMS)」から現地レポートを書いています。最初は東芝メモリのキーノート講演と、SK Hynixのキーノート講演を報告しております。3D NANDフラッシュメモリの記憶容量はシリコンダイ当たりで1Tbitを超え、1.33Tbitに達しました。
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8月13日にはコラム「セミコン」で、Micronが3D NANDフラッシュの次世代品開発ではそれまでの浮遊ゲート技術ではなく、電荷捕獲技術に移行するというニュースを書きました。MicronがFMSのキーノート講演でちょろっと見せた情報に、筆者がかぷっと噛み付いて砕いて記事にしてます(爆)。

8月14日にはFMSから、中国の3D NANDフラッシュ開発企業「長江ストレージ」のキーノート講演を現地レポートで紹介しました。周辺回路を別のウエハーに作り込んで張り合わせるというトリッキーな技術を公表していました。この技術については、どこまで本気なのか、悩むところです。

8月20日にもFMSの現地レポートを書いてます。フラッシュストレージのデータ復旧事例です。

そして8月21日には、これもFMSの現地レポートで、QLC方式の3D NANDフラッシュを内蔵するSSDについて紹介しています。Intelが展示会に出品したもので、すでに製品化されています。SLC方式とQLC方式を同じシリコンダイ内部で区分けしてSLC方式をバッファとすることで、QLC方式による性能の低下を補完するという新技術を駆使しています。
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8月24日にはコラム「ストレージ」で新しいシリーズ解説を始めました。3D NANDフラッシュの製造技術とスケーリングを解説するシリーズです。

次回は9月と10月をまとめる予定です。
ここまでお読みくださいましてありがとうございました。