EETimes Japan様から頂いておりますコラム「ストレージ通信」を更新しました。
マイコン大手ルネサスの埋め込みフラッシュメモリ技術 (1/2) - EE Times Japan
ルネサス エレクトロニクスが開発した埋め込みフラッシュメモリ技術「SG-MONOS(モノス)」の概要です。
フラッシュマイコンに使われております。
元々は、日立製作所が標準型EEPROMのために開発した技術「MNOS(エムエヌオーエス)」が基本です。
MNOSはチャージトラップ(電荷捕獲)方式の不揮発性メモリ技術で、1980年代に遡ります。当時、フローティングゲート(浮遊ゲート)方式の標準型EEPROMが多かった中で、異彩を放っておりました。
チャージトラップ方式は、原理的にはフローティングゲート方式よりも高密度化(微細化)に適していると言われております。CMOSロジックと相性も、フローティングゲート方式よりも良好で、プロセスの互換性が高いとされています。
ただし格子欠陥である捕獲準位を制御しなければならない。言い換えると酸化膜と窒化膜の欠陥を制御する技術が必要です。ここはノウハウといいますか、経験が要求されます。
ルネサスも実は、SSTのスプリットゲート技術をライセンス導入したフラッシュマイコン製品が多数を占めている時期がありました。単体のEEPROM製品から、埋め込みのフラッシュメモリ、しかも大容量品への転換には、それなりの開発努力が必要だったようです。
・・・・といったことまでコラムで書くとIEDMの講演を補完するどころか、まったく別の記事になってしまう。このため、今回は割愛しております。
機会を改め、別の方向でチャージトラップ方式については書こうかなと考えております(というテーマが今、降ってきました)。