Electronics Pick-up by Akira Fukuda

日本で2番目に(?)半導体技術に詳しいライターのブログ

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アクセルとブレーキの踏み間違いは、四輪自動車が抱える本質的な欠陥に起因する

四輪自動車で、アクセルとブレーキの間違いによる事故が続出し(たように報道されている)、話題となっています。「踏み間違い」と良く言われますが、この表現そのものが、四輪自動車が抱える本質的な欠点を良く示しています。


そのことに気付かされたのは、2014年12月に下記のイベントを取材したときでした。

「個人のアイデアを電子工作で商品へ、ルネサスとアレックスが共同で支援」
http://news.mynavi.jp/articles/2015/01/08/renesas_night6/

電子工作コンテストに関する記事なのですが、出品者のプレゼンの中に、四輪自動車の欠点を厳しく指摘したものがありました。鈴木康之氏によるプレゼンです。

(出品者一覧)
http://news.mynavi.jp/photo/articles/2015/01/08/renesas_night6/images/002l.jpg


鈴木氏の指摘は非常に明快で、クルマでは「踏む」という同じ動作がアクセルとブレーキに対応しているというものです。良く考えてみると、その通りです。アクセルは加速、ブレーキは減速という全く反対の操作が、同じ右足で、同じ踏むという動作であるにも関わらず、運転者は両者を区別しなければならない。しかも踏む対象であるペダルは、わずか数十センチの間隔で並んでいる。言うまでもなく、アクセルペダルは右、ブレーキペダルは左です。両者を区別するのは、ペダルの位置だけ、しかもマージンは50cmにも満たない。


これで踏み間違いゼロを運転者に要求するのは、無理があると分かります。ユーザー・インタフェースに本質な欠点がある、欠点どころか、欠陥であるとすら思えてきます。


同じ自動車でも、二輪自動車ではこのような間違いは起こりません。バイクではブレーキは右手の「握り」と右足の「踏み込み」、アクセル(スロットル)は右手の「回転」です。操作方法がまったく違う。


ところが、四輪自動車ではハンドルに両手が取られてしまう。残るのは足だけ。そして左足はクラッチペダル(これも踏むという同じ動作)に使われる。残るアクセルとブレーキの両方が右足に割り当てられています。しかも動作は同じ。ペダルを踏むだけ。これは危険です。


四輪自動車のユーザー・インタフェースは、本質的な欠陥に手がつけられていない。あるいは、欠陥であることが認識すらされていない


そろそろ四輪自動車のユーザー・インタフェースをなんとかすべきなのでは。そんな思いが強まっております。