Electronics Pick-up by Akira Fukuda

日本で2番目に(?)半導体技術に詳しいライターのブログ

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キーサイトの低周波雑音測定システムを取材しました

キーサイト・テクノロジーが開発した低周波雑音測定システムを取材させていただきました。
マイナビニュース誌に記事が掲載されております。


「キーサイト、第4世代1/f雑音測定システムを発売 - 0.03Hzの超低周波に対応」
http://news.mynavi.jp/articles/2015/02/09/e4727a/


この製品は珍しく、日本法人で開発されました。日本発で、世界市場で販売する製品です。また興味深いのは、この製品を開発したのはEDAツール部門だということです。オシロやスペアナなどの測定器開発部門ではありません。このため、キーサイトのウエブサイトをトップページからたどっていこうとすると、見つけられずに焦ります。製品名「E4727A」を検索キーに使って検索エンジンで探したほうが、早く製品ページに到達できるようです。




製品そのものは、なんといいますか、「微小信号測定の教科書」のような作りです。厳重なシールドは当たり前。そのほかに工夫がいろいろありました。しかし測定下限が0.03Hzって凄いですよ。1周期が33秒にもなるんです。ですから原理的に33秒以下で測定することは不可能。仮に40秒かかるとして・・ってそもそも、こんな短い時間はあり得ない。実際、この製品では1Hz測定に40秒かかっています。これでも、ものすごく短い。キーサイトの従来品では120秒かかっていた。それぐらい、低周波測定とは時間がかかるもの。とにかく凄い製品でした。トランジスタ低周波雑音測定を見せていただいたのですが、あんなに短い時間で済むなんて。自分の古い常識では考えられません。良い物を見せていただきました。眼福とはまさにこのこと。ありがたいことです。自分の仕事に感謝、です。


低周波ノイズ―1/fゆらぎとその測定法 (先端科学技術シリーズ)

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